いきなりですが、皆さん油にはいろいろな種類と特性があるのを知っていますか?いろいろあるけど、どれも同じ油でしょ?と思っていませんか?私は思っていました・・・。でも、実は油によって種類があり、それぞれ酸化のしやすさや身体への働き、食べるべきバランスが異なります。簡単にでも頭に入れて、今日からの献立に生かしましょう。
食用油の種類
食用の油は以下のとおり成分によって分類できます。それぞれに特性と摂取すべき量が異なり、健康の維持にはこれらを意識して調整していくことが必要です。以下は主な油の成分の分類と主にその成分を含む油の種類です。
- 油
- 不飽和脂肪酸(植物性)
- オメガ3 – DHA、 EPA、青魚、えごまオイル、亜麻仁油、ナッツなど【必須脂肪酸】<食事摂取基準1.6〜2.4g>
- オメガ6 – サラダ油、ごま油、コーン油など【必須脂肪酸】<食事摂取基準8〜11g>
- オメガ9 – オリーブオイル、キャノーラ油など
- 飽和脂肪酸(動物性) – 肉の脂など
- 不飽和脂肪酸(植物性)
必須脂肪酸とは、人間が体内で生成できないために外部から摂取すべき、という意味です。これについて、厚生労働省から食事摂取基準が発表されています。(参照リンク1)
それぞれ主にその成分を含む油の種類を記載しましたが、それぞれあくまで「主な」成分であり、例えばオリーブオイルにはオメガ9のオレイン酸が約8割で、残りの2割のうち飽和脂肪酸とリノール酸群が1割ずつを占めています。(参照リンク2)
現代人はオメガ6の油を取りすぎ傾向、病気の原因に
というわけで、栄養学的にはオメガ3とオメガ6の油を摂取基準量くらい摂取すべきなのですが、現代の洋風な食生活ではオメガ3の摂取量が少なく、オメガ6のサラダ油やごま脂の摂取量が多すぎているというデータがあります。
オメガ6のサラダ油は必須脂肪酸ということで基準摂取量の摂取が望ましいとされていますが、過剰な摂取は逆に健康への被害が懸念されています。
具体的には、アレルギーを増長させたり、血栓症、喘息を引き起こす原因を作り出します。また、酸化しやすく、酸化して過酸化脂質になると細胞膜やDNAを傷つけて発がんの元になったり動脈硬化を引き起こしたりするリスクがあります。
また、現代に増えているうつ病もこのオメガ6の取りすぎが原因ではないかと言われています。では、その基準摂取量はどのくらいなのでしょうか?
オメガ6(サラダ油)の基準摂取量は1日大さじ1杯以下
厚生労働省の発表している「日本人の食事摂取基準(2015年版)」によると20〜50代の成人のオメガ6の油の基準摂取量は1日あたり8〜11gです。サラダ油の大さじ1杯は12gですので、なんとその大さじ一杯以下ということになります。
通常炒め物をするにも一回あたり大さじ1杯くらい使いますし、その他にもパンやサラダのドレッシング、お菓子にも含まれていることを考えると余裕でその基準量を上回っているのが想像できると思います。事実、平均13-15g/日摂取しているというデータもあります。
必須脂肪酸ですから、全くのゼロを目指すのではなく、今までの半量くらいを目指してオメガ6の摂取を控えるように努めることが必要です。
アレルギーを抑えるDHAなどのオメガ3
オメガ6の反対に、オメガ3はアレルギーを抑えたり血栓を抑制する働きを持ちます。オメガ6とオメガ3の摂取にはそのお互いに反対の働きをコントロールするために丁度良いバランスで摂取することが大切です。そのバランスは、
オメガ6:オメガ3=4:1
です。オメガ3はあまに油、シソ油、そして青魚に含まれています。あまに油やシソ油は加熱に弱く生のまま摂取する必要があります。青魚とはいわし、あじ、さば、カツオ、マグロ、サケなどで、一時期「頭が良くなる」、「ボケの防止になる」と話題になったDHAがそのオメガ3の成分です。
オメガ3(えごま油、DHAなど)の基準摂取量は1日約2g
オメガ6同様に厚生労働省による「日本人の食事摂取基準(2015年版)」によると20〜50代の成人のオメガ3の油の基準摂取量は1日あたり1.6〜2.4gです。その約2gは、サバの可食部だと200g弱のDHAに相当します。
また、えごまオイルではティースプーン1杯が約2gにあたり、サラダにかけたりそのまま舐めたりして摂取しましょう。くれぐれも加熱すると酸化してしまうので、生のまま摂取することが大切です。
オメガ9のオリーブオイルも活用しよう
ここまで紹介してきたように、健康のためには今までの食生活からサラダ油を控え、魚やえごまオイルを摂取すると良いということです。
またその際、サラダ油を控えるにしても、どうしても油を使いたい場面にはオメガ3の油は加熱に弱いため、代わりにオメガ9のオリーブオイルがおすすめです。オリーブオイルはオメガ6のように健康を害することなく、加熱にも酸化しにくい性質を持っています。
まとめ
サラダ油、ごま油は半分以下に!できればオリーブオイルに置き換える!
1日1食は青魚を食べる!もしくは荏胡麻or亜麻仁油を取り入れる!
外食やコンビニのお弁当を食べるなど避けられない場面は仕方がないですが、できるだけ上記の2つを守って生活してみたいと思います。
アレルギー、花粉症、生活習慣病の予防につながりますように。
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紅花食品 荏胡麻油 170g
荏胡麻の種子を100%用い、化学溶剤を使わず昔ながらの機械圧搾法により一滴一滴しぼりとった一番搾りの油。100gあたり60gのオメガ3の成分(α(アルファ)リノレン酸)を含んでいます。クセがなくまろやかな味わい。一本951円。
ニップン 亜麻仁油 100g
食用のゴールデン種のアマニからコールドプレス製法(低温圧搾法)で抽油した油。小さじ1杯(約4.6g)で、オメガ3のα-リノレン酸を約2.5が含まれます。こちらもさらっとしていて苦味もなく、食べやすい。一本682円。
参考リンク
(1)「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」の報告書を取りまとめました |報道発表資料|厚生労働省
(2)http://www.kinjo-u.ac.jp/orc/document/topic1.pdf