トイレ予測デバイス「DFree」、クラウドファンディング支援金の返金について

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先日こちらでもご紹介したトイレのタイミングを予測して教えてくれるウェアラブルデバイス「DFree」。実証実験や開発を進めていたものの、クラウドファンディングのリターン提供が大幅に遅れているため支援金を返金すると発表しました

トイレ予測ウェアラブルデバイス「DFree」

DFreeとは、「トリプル・ダブリュー・ジャパン」が現在開発中のトイレに行くべき排尿のタイミングを予測し、本人や介護者に教えてくれるアプリと連携するウェアラブルな小型デバイスです。
2015年7月にクラウドファンディングサイト「READY FOR?」でクラウドファンディングを募り、345人の支援者から目標金額を超える約1200万円を集めていました。
そのクラウドファンディングのリターンとして、金額に応じた数のDFree本体が発送される予定でしたが、9月16日にREADY FOR?のDFreeページの「新着情報」にて、プロジェクトの返金について報告されました。
DFreeについて詳しくはこちらの記事で紹介しています。

dfree

「介護施設向け」として介護施設で実証実験

DFree開発のステップとして、2016年8月から神奈川県川崎市の複数の介護施設で実証実験を行うことを公表しています。これは川崎市の「ウェルフェアイノベーション」推進計画の一環であり、他にも様々な新しい介護用製品が試験的に取り入れられているようです。
しかし、こちらの川崎市の「ウェルフェアイノベーション」公式ホームページにて活動報告として、他の製品を試している様子などがアップされているのですが、8月のDFreeについては情報が上がっていませんでした。どのような内容の実証実験が行われ、使い勝手やユーザーの感触がどうだったのか、少しでも報告が欲しいところです。

個人向け用ソフトウェア、ネットワーク機器を別途開発する必要が判明

返金報告の記事中では、その実証実験(トライアル)を行なったにも関わらず返金となった経緯について下記のように説明しています。

そのトライアルを通じ、一般の方々が利用するには、年齢・性別・症例など含め、幅広い利用を想定した、介護施設向けとは異なる「ソフトウェア」や「ネットワーク機器」の用意が必要であることが判明しました。そのため、一般の皆さまに対して、リターン商品本体のみをお届けしても、在宅介護等での負担軽減のためには不完全な形でのご提供になってしまいます。

「商品を送ることができる」が、一般家庭で使用するための「ソフトウェア」や「ネットワーク機器」がネックになるため難しいとのことですね。

リターン発送・一般発売の目処立たず、返金対応へ

当初のリターン発送は2016年4月頃予定でした。その後のニュースなどでは2016年10月頃の商品化を目指すと記載されています。しかし、ブログ「40歳からの遠距離介護」の工藤さんが開発会社に問い合わせたところ、これまでの公表していた「2016年末の一般発売」よりもさらに遅れる見込みとのことです。
当初の予定より大幅に遅れるため、また、目処が立っていないため、支援金の返金に至りました。
345人の支援者、注目してきたユーザーにとって残念な結果となってしまいました。返金報告の記事中では、これによって開発を中止するということではなく、まずは介護施設や医療機関向けの開発を進め、それらの技術やデータをもとに一般向けへの発売を目指していきたいと記載しているので、これからも応援していきたいと思います。

参考リンク

世界初!排泄予知ウェアラブル「DFree」先行予約、受付開始!(トリプル・ダブリュー・ジャパン株式会社) 新着情報 – READYFOR (レディーフォー)
排泄予知、介護施設で実証実験 来月から川崎市、負担軽減へ|カナロコ|神奈川新聞ニュース
排泄予知Dfree(ディーフリー)の個人向け延期のお知らせ | 40歳からの遠距離介護
川崎市ウェルフェアイノベーション|かわさき基準(KIS)